自作PCの強化 part1(Ryzen 5 2600X+Quadro P600)

PC・電気

2年前に組んだ自作PCのパーツを交換し、性能をアップさせました。

最高のスペックを目指すのではなく、コストを抑えつつ、ほどほどに強化していきます。CPUとグラフィックボード(グラボ)は中古品を購入しました。

元の構成

改造前の構成を、主要なパーツのみ記載します。

  • マザーボード:MSI B450 GAMING PLUS(ATXサイズ。BIOSアップデートで第3世代Ryzenまで対応)
  • CPU:AMD Ryzen 3 2200G(3.5GHz、4コア、4スレッド、Radeon Vega 8グラフィックス搭載)
  • メモリG.Skill GSK F4-2400C15S-8GIS 増設後不安定化したので、8GB1枚のみ)
  • グラボ:なし(内蔵グラフィックス:Radeon Vega 8
  • ストレージ:キングストン SATA SSD 240GB

より詳細な構成については、以下の記事を参照してください。

◆前の記事:Ryzen 3 2200Gで低予算の自作PCを組んでみた【グラボなし】

CPUを交換した理由

筆者は3Dゲームや動画編集をしないので、これでも特に不満はない性能でした。ではなぜ、わざわざCPUを交換しようと思ったのか?

1つ目の理由として、

CPUの「Ryzen 3 2200G」が、Windows11に対応していないから

というのがあります。

現時点で対応しているRyzen CPUは、第2世代以降。

筆者は長い間勘違いしていたのですが、「Ryzen 3 2200G」は第2世代ではなく、第1世代のRyzenだったようです。

安直に2000番台=第2世代だと思っていたけど間違いでした。「Ryzen 3 2200G」や「Ryzen 5 2400G」は第1世代だそうです。

分かりにくい…。1000番台にしなかった理由が知りたいです。

あと、Win11非対応の「Ryzen 3 2200G」ですが、発売は2018年と比較的新しい。にもかかわらず切り捨て対象になっているのは悲しいです。発売は新しくても、中身は第1世代というのがまずかったんでしょうね。

なお、要件を満たしていないCPUでも、裏技的な方法でWin11へアップグレードすることは可能らしい。すでにやっている人が沢山いるので、ググれば情報はいくらでも得られます。

でも、メインPCでそれはやりたくないです。サポート対象外ですし、不具合が発生したり、セキュリティが弱くなっては困ります。

そこで、正規の手段でアップグレードできるようCPUを交換することにしました。Win10のサポート終了は2025年の予定なので、まだ数年は使えるのですが、先取りして交換です。

CPUを交換した2つ目の理由として、

サブPC用のCPUが欲しかったから

というのがあります。

とある目的のためサブPCを組みたかったのですが、高いCPU性能は必要ありません。それならばサブ用に新たなCPUを購入するより、メインを強化してお古を回したほうが得だと考えました。

そういうわけで「Ryzen 3 2200G」は売却せず、流用。Win11非対応とはいえ、UbuntuなどLinuxをインストールすれば2025年以降も使用可能。個人的にメインはWindows必須ですが、サブはLinuxで問題ないです。

Ryzen 5 2600X

購入したCPUは、第2世代の「Ryzen 5 2600X」です。値段は中古で16000円。

あるショップの中古CPUを価格順にソート。一番安かった第2世代Ryzenがコレでした。

全くロマンはないけど、前のに比べれば性能が高いから良いかなと…。単純に「3」より「5」のほうが上位モデルなわけですし、世代も一つ進んでいます。

また、ベンチマークの数値で判断すると、「Ryzen 5 2600X」は「Ryzen 3 2200G」に対して約2倍の性能を有しています。

コア・スレッド数や周波数を見ても性能の差が分かります。

「Ryzen 5 2600X」は6コア12スレッド。基本クロック3.6GHz、最大ブーストで4.2GHz。「X」付きなので無印の「2600」(3.4GHz-3.9GHz)より周波数が高いです。

今まで使っていた「Ryzen 3 2200G」は、4コア4スレッド。基本クロック3.5GHz、最大ブーストで3.7GHzでした。

なおマザボは第3世代まで対応しているので、より新しく性能が高い「Ryzen 5 3600(無印またはX)」も使えたんですけどね。5000円以上の価格差があったのでやめました。

重い作業はしないので、多少スペックが劣っていても妥協できます。Win11に対応していればOKです。

CPUクーラーは付属品の「Wraith Spire」を使用しました。

残念ながら冷却性能は高くないようで、Cinebench R23で負荷をかけると、すぐに80℃を超え、最大89℃まで上昇しました(室温20.6℃)。

取り付けミスを疑いたくなるほどの冷えなさです。AMDの付属クーラーは比較的性能が高いと聞いていたんですけどね。TDP95Wをこれで冷やすのは厳しいのか?それとも中古だから壊れてるんでしょうかね?

あと、ブラウジングなど軽い作業に使っているだけでもブーーーン、ブーーーンと、うるさいのが不満。そのうち虎徹か何か静かなクーラーに交換したいです。


サイズ オリジナルCPUクーラー 虎徹 Mark II

グラボが無い問題

「Ryzen 5 2600X」に交換する際、一つ問題が生じます。AMDのCPUは、名前に「G」が付いているもの以外、GPUが非搭載。「2600X」という名前から分かるように、このCPUはグラフィックス内蔵タイプではありません。

現状筆者のPCにはグラボが付いていないので、新たに調達する必要があります。

通常時ならば、適当なグラボを選んで買うだけなので問題にはなりません。しかしながら、2021年春以降、半導体不足やマイニングブーム再燃により、グラボの品薄と価格高騰が発生しています。

販売店にグラボの在庫が無かったり、あっても値段が極端に高かったり…。ネットショップの場合、入荷直後に注文が殺到しすぐに売り切れます。

そんな状況なので転売ヤーも暗躍。フリマアプリやオークションサイトでは、一時、とんでもない価格でグラボが出品されていました。それでも売れてしまうのが恐ろしい。

2021年末から2022年初頭にかけ、供給は多少回復してきたようですが値段は下がる気配を見せません。多くのグラボが、希望小売価格の2倍前後で取引される状況が続いています。

例えば、ローエンドクラスの、補助電源なしモデルが存在する「GeForce GTX 1650」でも、現状3万円程度するので手が出しづらい。以前は1万5000円程度でした。

中古市場も例外ではありません。「例のグラボ」と呼ばれる数年前に投げ売りされていたマイニング専用グラボが、高値で取引されています。当時捨て値で購入した人は、数倍の価格で売れるという美味しい状況に。

中古買取価格も上昇しているので、一部の人気グラボは、数年使った後、新品購入時と変わらない価格で売却できることもあるようです。普通じゃないですね。

グラボを選ぶ

こんな状況でグラボを買うのは避けたいのですが、「Ryzen 5 2600X」には内蔵グラフィックスがないので買わざるを得ない。

重いゲームはしないので、低性能グラボでも十分といえば十分。それなら1万円以下で買えます。

でも、せっかくグラボ付けるのだから、最低でも前の「2200G」内蔵「Vega 8」よりは高性能なのが欲しい。

どうしようかな~と中古販売サイトを見ていたら、良さそうなの(個人的主観)がありました。GeForceやRadeonではありません。

Quadroという若干知名度の低いやつです。NVIDIA製ですが、ゲーマー向けのGeForceとは違いクリエイター向けに作られたグラボ。

ゲームで用いられるDirectXではなく、OpenGLに最適化されているようですが、筆者には詳しいことは分かりません。大雑把に言うと、Quadroというのは、一般的なゲームには向いておらず、3DCAD等に向いているグラボシリーズらしい。

中古の中では比較的新しかった「Quadro P400」(約8000円)と、「Quadro P600」(約1万2000円)で悩んだものの、性能が高い「P600」の方にしました。

ただ、どちらもローエンドで補助電源が不要ですし、旧世代(Pascal アーキテクチャ)の製品なので大した性能ではないです。

余談ですが、現行のクリエイター向けグラボは「Quadro」が付かない、「NVIDIA RTX A (+数字)」とか「NVIDIA T(+数字)」のような製品が中心になっているようです。

「NVIDIA T600」というのが「Quadro P600」の後継モデルらしい。

Quadro P600について

外観はこんな感じ。

消費電力の少ないローエンドグラボの場合、ヒートシンクだけだったりしますが、P600にはしっかりファンが付いています。最大消費電力は40Wと少なめなのですけどね。

本体が薄く、他のPCI-Eスロットを塞がないのは良いですね。ハイエンドモデルだと1枚で3スロット分占有することもあります。

また、コンパクトでありながら、4K解像度で最大4画面出力できるのは魅力。株取引などでモニターが沢山必要な人には良さそう。筆者は2画面しか使わないけどね。

ただ、接続が全てMini DisplayPortなのはちょっと残念。HDMIはおろか普通のDisplayPortさえありません。

ロープロファイル対応でサイズに制約があるからこうなったんでしょうね。前述のように厚みもないですし、Miniじゃないとポートを付けるスペースが物理的に足りません。

ちなみに、新品のパッケージ版(ELSA販売)には、Miniから標準のDPへ変換するケーブルが付いてくるようですが、筆者の買った中古品には付いていませんでした。ロープロファイル用ブラケットもなし。使わないからいいけれども…。

どうも筆者の買った中古「P600」は、HP(ヒューレット・パッカード)の、完成品PCに付いていたグラボのようです。裏面のシールにHPの部品番号が記されていました。

だから付属品もないということらしい。おそらくバラして部品単位で売りに出されたのでしょう。

変換ケーブルが無いと使い物にならないので、Amazonで購入しました。


Amazonベーシック Mini DisplayPort – DisplayPort 変換ケーブル 1.8m


StarTech.com Mini DisplayPort – HDMI変換アダプタ ミニディスプレイポート(オス) – HDMI(メス)コンバータ 1920×1200 MDP2HDMI

せっかく「Quadro」を付けたので、OpenGLを使用する「CLIP STUDIO PAINT」の3Dデッサン人形を使ってみました。前より動作が軽くなったような気はしますが、内蔵グラフィックスでも問題なく動いていたので、劇的な変化は感じられないですね。

「P600」をしばらく使った感想としては、普通に画面は映るし、3Dゲームのような負荷のかかる使い方はしないので特に不満なし。省電力仕様ですし、画面表示+αとしては上等なグラボでした。

他の良さげなグラボ

個人的には満足した「P600」ですが、人におすすめしようとは思いません。生産終了のこれを、今からわざわざ中古で探して買う必要はないでしょう。

クリエイティブ用途の場合、性能がギリギリの「P600」より、後継の「T600」か、それ以上の高性能モデルを買ったほうが良いと思います。

また、画面を表示するだけで良い場合には、もっと安価なモデルがあります。

例えば「GeForce GT 710(1GB)」は、非常に性能が低いですが新品が3000円台で購入可能。もう少しマシなやつだと、ベンチマークで「GT 710」の2倍程度のスコアが出る「GT 730」が、6000円前後で買えます(2022/01/24現在)。

どちらも、最新のCPU内蔵グラフィックス以下の性能ですけどね。本命のグラボが安くなるまでのつなぎに使うのならアリかも…。ゲームや動画編集をする予定がないなら、グラフィックス内蔵タイプのCPUを使ったほうがコスパは良いと思います。

ちなみに、「P600」と同世代(Pascal アーキテクチャ)で、ほぼ同クラスのGeForceには「GT 1030(GDDR5)」が存在します。Cudaコア数は同じで、値段は新品で1万2000円台から。

中古の「P600」と値段・性能が同じくらいなので、どうせ買うなら新品の「GT 1030」のほうが良いかもしれません。「GT 1030」では4画面出力ができませんが、多くの人にとっては2画面出力で十分かと…。

筆者は単に変わったのを使ってみたかったので「P600」を選んだ感じです。せっかくの自作だし、普通とはちょっと違ったことをするのが楽しいのでね。

なお、「GT 1030」には通常のGDDR5版と、性能が落とされたGDDR4版があるので注意。

おわりに

今回のパーツ交換により、以前よりサクサク動くようになった気がします。具体的にはブラウザの表示が速くなった気がする。

これって、CPUとグラボ(GPU)どちらのおかげなんでしょうかね。Chromeのハードウェア アクセラレーションがONになってるので、GPUも関係している気はします。

数値的には大きく性能がアップしましたが、体感で言うとちょっとした変化です。基本的にはブラウジングや文章作成にしか使わないので、性能向上を感じられる場面は少なそう。

でも自作PCは自己満足の世界なのでそれで構いません。個人的には大満足。Win11に対応したので、あと5~10年は使いたいですね。

余談:グラボは夏頃に安くなるかも(希望的観測)

グラボについて最近考えていることを書きます。

3Dゲームに対応したそこそこ性能が高いグラボが欲しい場合、購入をしばらく待ったほうがいいような気がします。2022年夏頃には、価格がある程度は下がっていると思うからです。

以前の価格に戻るかどうかは分かりませんが、今よりは多少は安くなるでしょう(保証はできませんが)。

なぜかと言えば、グラボ価格高騰の一因となっていたマイニング需要が消滅すると思われるからです。

利上げによる資産価格下落

インフレを抑えるため、米国では2022年に複数回の利上げが行われると予想されています。

金利上昇懸念により、現在(2022年1月下旬)、株だけでなく仮想通貨(暗号通貨)の価格も暴落しています。

GPUマイニングでは主にイーサリアム(ETH)が採掘されていますが、価格の下落が続き、ある水準を下回ると、電気代の関係で通貨を直接買ったほうがマシになります。

2021年にマイニングブームが起こったのは、ETH価格が高騰し、電気代以上の収益を得られるようになったから。価格が下がれば旨味がなくなるのでマイニングする人は減ります。

ETHのマイニング廃止

さらに、価格とは関係なく、ETHのマイニングは2022年6月でほぼ終了する予定です。コンセンサスアルゴリズム変更により、マイニングが必要なPoWから、不要なPoSに移行するからです。

ETHのマイニングが終わったら他の通貨に移ればいいような気がしますが、現状ETH以外のGPUマイニングは、ほぼ利益が出ません。

ETHマイニングが不可能になった後、既存のマイナーが他の通貨に移動した場合、その通貨の難易度が急上昇し、ただでさえ少なかった収益が減少。電気代の高い日本では赤字になると言われています。

したがって、「イーサリアムマイニングの終了」=「日本におけるGPUマイニングの終了」と言っても過言ではないでしょう。

もし、ETH以外のGPUマイニング可能な通貨の価格が数十倍になり、ETHと同じくらいの収益が得られるのであればマイニングは続くでしょうけど、利上げによる金利上昇の影響があるので難しい。

2022年、株や仮想通貨のようなリスク資産の価格は、良くて横ばい、基本的には下がることになると思われます。

ここ数年の株高や仮想通貨バブルは、超低金利と量的金融緩和による金余りが引き起こしたものです。投機資金が引き上げられ、資産価格全般が下落する中で、仮想通貨だけが例外的に上がり続けるという状況は考えにくい。

たとえETHマイニング終了が延期になったとしても、価格の下落により、これまでのように利益を上げることは困難です。

マイニング需要の消滅と中古の氾濫

ETHのPoS移行が予定通り進行した場合や、価格の下落によりマイニングの旨味が無くなった場合、マイニング目的でグラボを買う人ほとんどいなくなると思われます。

半導体不足の解消はさらに先になるかもしれませんが、マイニング需要が一気に消滅するので、その分グラボの価格は低下するでしょう。

とはいえ、最新モデルや新品の価格はあまり下がらないかもしれません。

その一方で、既存モデルの中古価格は現状より大幅に安くなる可能性があります。赤字になり、採掘を諦めたマイナーたちが、不要になったグラボを一気に売却することが予想されるからです。

需給のバランスが崩れ、かつての「例のグラボ」のように捨て値で売られるグラボが出てきてもおかしくはない。

マイニングでよく使われているグラボの中では比較的性能が低めな「GeForce GTX 1660 SUPER」あたりは、中古品が1万円台で買えるようになるかもしれません。

現在の価格から考えると安すぎるように思えますが、かつて新品が3万円で売られていた製品ですし、現状でもすでに旧世代のモデルになっているので、中古としておかしな値段ではないと思います。

個人的に、マイニングで酷使された個体は欲しくないですね。ただ、買う側には、マイニングで使われたグラボかどうか判断する術がありません。

売る側がマイニングに使っていたことを黙っていれば立証は非常に困難。売る側の良心が試されますが、まずバレないので自己申告しない人が多そう。

その結果、表向きは普通の中古だけど、実際にはマイニングで使い込まれたグラボが市場にあふれることになりそうです。

事情を知っている人は、高い金を払って中古を買おうとは思わないので、価格は抑制されるでしょう。

使い込まれたグラボをあえて買うなら

とはいえ、温度管理がしっかりなされていれば、マイニングで長期間連続稼働した個体であっても、そう簡単に壊れることはないみたいですけどね。

壊れるとしたら冷却ファン。可動部品ですし、グラボの部品の中では最も耐久性が低く、最初に壊れるらしいです。一方でチップは意外と耐久性が高いみたい。

つまり、消耗品であるファンの交換や、サーマルパッドの張替え、グリス塗り替えを行いさえすれば、マイニングで酷使された個体を使い続けることも不可能ではないということです。

サードパーティ製の交換用ファンは、AmazonやAliExpressなどで購入可能です。

また、電源のオン・オフがあり、温度の変化が大きいゲーミング用途に比べ、常時稼働で温度が安定しているマイニング用途の方が、基盤(主にはんだ部)への負担が少ないという説もあります。

そういうわけなので、もし本当に「1660 SUPER」の中古が1万円台になった場合、自分で整備できる人にとってはお買い得かもしれません。

ただし、冷却が考慮されず暑い部屋で長期間運用されていた個体に当たると、ファン以外の部分が壊れるかもしれません。結局は運試しになりそう。

おことわり

予想通りグラボが値下がりするという保証はありません。グラボの購入や売却の判断は自己責任でお願いします。また、仮想通貨の購入や売却を推奨する意図はありません。

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