中華スポット溶接機(約2000円)の組み立て&コイン電池に溶接

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Amazonで中華業者製の安価なスポット溶接機を購入しました。


Funien 12Vスポット溶接機、12Vスポット溶接機DIYポータブルバッテリーエネルギー貯蔵PCB回路基板溶接装置18650/26650/32650リチウム電池用溶接装置

この記事では、中華溶接機の組み立てとコイン電池にタブを溶接した際の様子を、写真を交えて紹介します。

格安スポット溶接機を購入

以前、ゲームボーイカセットの電池交換をしたのですが、電池を絶縁テープで巻いただけだったので使っているうちに接触不良を起こし、セーブデータが消えました。

ちゃんと直すためには、コイン電池にタブを溶接して基盤にはんだ付けする必要があります(参考:純正状態カセット内部↓)。

一応、タブ付きコイン電池というものも存在していますが、街中の普通のお店では売ってないですし値段も割高。自分でタブを付けたほうが良さそうです。

 

中華スポット溶接機の存在はYouTubeで知りました。筆者は電子工作やDIY系の動画をよく見ます。

ジャンク機器からリチウムイオンバッテリー(18650)を取り出し、状態の良いものだけを集めてタブを溶接、再利用するのはDIY界隈ではポピュラーですね。

動画で使われているようなスポット溶接機を買えば、自分でコイン電池にタブを溶接できそうだと思い、Amazonで探してみました。

表示される商品は謎の中華メーカー製ばかり。ただし種類は豊富で値段も色々です。

使用頻度が低いので極力出費を抑えたいと思い、選んだのが今回のスポット溶接機です。

値段は送料込みで1921円(販売ページの5%引きクーポンを使用)でした。


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謎の中華商品は販売ページが突然消えることがあり、リンク先から買えるとは限りません。ご了承下さい。

ちなみにスポット溶接機を自作している人もいます。スーパーキャパシタを使ったシンプルなものや、リレーとペダルスイッチを組み合わせたものなどですね。

自作も楽しそうですが、単純にコストだけを考えるなら、約2000円で溶接棒など一式が揃っているこの手の商品はお買い得だと思います。

安い理由を推測

約2000円という、中華スポット溶接機の中でも最安クラスの価格設定に怪しさを感じるかもしれませんが、問題なく使える商品でした。

低価格の理由の一つは、これ単体では溶接ができず、自動車用の鉛バッテリーが必要なタイプだから。

より高価な中華溶接機にはリチウムイオンバッテリーが内蔵されており、充電すれば単体で溶接可能です。

一方この製品は溶接する際に鉛バッテリーと接続する必要があります。鉛バッテリーは重いですし、使える場所も限られているので使いやすさでは劣りますね。

また、この商品は組み立て済みの完成品ではありません。購入者が電解コンデンサなどをはんだ付けする必要がありますし、ケースがなく基盤むき出しの製品です。

色々なものを省いて最低限の構成にした結果、価格を抑えることができたのだと思います。

そのような製品なので、万人におすすめはできません。

しかし、すでに車用の鉛バッテリーを持っていて、自分ではんだ付けができる人にとっては、お買い得な製品だと思います。

電池内蔵タイプは安いものでも4000円以上しますから。

届いた袋の中身

中国発送の商品は忘れた頃に届くことが多いですが、今回は注文から1週間程度で到着。意外な早さです。

以前に調光器(スピードコントローラー)などを頼んだときは1ヶ月以上掛かった気が……。

発送は中国から個人輸入する人にはおなじみの中国郵政(China Post)。灰色のビニール封筒に入ってポストに投函されていました(日本国内の配送は日本郵便)。

厚みがなくコンパクトな梱包なので少々驚きましたが、しっかり中身は入っています。

前述の通り、このスポット溶接機は未完成の状態で届きます。ネジ止めの他、はんだ付けが必要ですが、部品点数は少なく組み立ての難易度は低いと思います。

袋の中身はこんな感じ(↓)

メインの基盤、電解コンデンサとブザー、溶接棒、電源コード、ネジとナット、熱収縮チューブのほか、ニッケルストリップ(リボン)が付いているのはありがたい。

基板を見てみましょう。金属(銅?)の棒が基盤のパターンに乗っています。

大電流を流すので溶けないよう対策されているのだと思います。一般的な基板ではあまり見かけない、溶接機ならではの仕様で面白いです。

説明書について

組み立て方や使い方が書かれた説明書は付いていませんでした。激安中華製品ではよくあることですね。

まあほぼ完成品ですし、複雑な操作が必要な機械ではないので、さほど問題はないでしょう。

一応、部品袋のシールに注意事項は書かれています。

注意事項は大きく分けて3つあります。以下訳を書きますが、意訳気味ですしニュアンス等が一部間違ってるかもしれません。ご了承下さい。

(1):2200μfコンデンサの取り付けを誤ったり、14.6V以上の電源を使用したりすると、配線が燃えるリスクが著しく増します。

電圧に関しては、自動車用の12V鉛バッテリーならオーバーすることはなさそう。

コンデンサに関する注意は、プラスマイナスの向き(極性)を間違えるなという意味かな?

(2):性能の良い、30-45Ahの鉛バッテリーの使用が推奨されます。廃棄されたバッテリーや、使用済みの経年劣化したバッテリーは一般的に、負荷要件を満たしません。

鉛バッテリーは古くて劣化したやつではなく、新しくて性能が落ちていないやつを使えということですね。

車から外したような既に何年も使っているバッテリーでは、溶接機の性能が十分に発揮できないため、使うのは避けたほうが良いみたい。

(3):バッテリーの容量が45Ahより大きい場合は、電源入力の配線を80cmまで延長することが推奨されます。これは、電流による過負荷で配線が焼けるのを防ぐためです。

「extend the input wire 80cm」の解釈に悩みました。「80cmの配線を使え」ということなのか、「既存の配線に80cm足せ」ということなのか少々分かりづらい。

そもそも動詞「extend」に第4文型(SVOO)ってありましたっけ? 「extend the input wire to 80cm」なら80cmまで延長しろということなので理解できますが……。

ここでは「to」を省略していると推測し、「80cmの配線を使え」という解釈で行きます。間違っていたらすみません。

それと、過負荷で焼けるのを防ぐために配線を伸ばすというのは初めて聞きました。配線の長さを伸ばすことで、配線が持つ抵抗を増やしたいのかな?

確かに、銅などの電線にも僅かながら抵抗がありますし、電線の長さが2倍になれば抵抗値も比例して2倍になります。

とはいえ、もともと抵抗の小さい電線を80cm延長したくらいで違いがあるのでしょうか? 直感的には納得しづらいです。

鉛バッテリーの電圧は12V程度と低いので、ちょっとした抵抗でも電線の許容電流以下に収められるということなのでしょうかね?

よく分かりませんが、そもそも容量の大きいバッテリーを使わなければいい話ではあります。容量が大きくなると値段も高くなりますし。

組み立て

まず、2200μF電解コンデンサをはんだ付けしました。特に難しいことはありません。場所は基板上に書いてあります。

極性(プラスマイナス)さえ間違えなければOK。コンデンサは、足が短いほうがマイナスです。また、ボディにはマイナス側の表記があります。

筆者はコンデンサが立った状態で取り付けましたが、基板の図に従うなら寝かせて付けるのだと思います。薄いケースに入れる場合は倒さないと邪魔になりそう。

次にブザーをはんだ付けします。これもプラスマイナスを確認するだけなので簡単。

はんだ付けが必要なのはこの2箇所だけです。

 

次に、溶接棒の持ち手を熱収縮チューブで覆います。

ヒートガンの熱風を当てて収縮させます。ライターなどの火を使う方法もありますが、近づけすぎないよう注意。火傷にも気をつけましょう。

収縮が完了したものの、なんとなくチューブが余っているような気がします。溶接棒に対して長いような……?

これはもしかすると、カットして他の部分にも使うということだったのかも? 説明書がないので分かりません。

もし他に巻くとしたら、配線の端子の根元(圧着されている部分)あたりかな。

 

最後にネジ止めです。

OUT-(アウトマイナス)に溶接棒の黒。

IN-(インマイナス)に電源配線の黒。

IN+(インプラス)、OUT+(アウトプラス)に溶接棒と電源配線の赤を固定します。ナットが上に来るように止めました。

端子の向きは上下逆でもいいと思います(↓)

鉛バッテリーと接続

組み立てが完了したスポット溶接機を、鉛バッテリーと接続します。

鉛バッテリーは軽自動車用(28Ah)を使用しました。推奨スペック(30-45Ah)を若干下回っていますが、多分大丈夫でしょう(保証はないので自己責任で)。

ちなみこのバッテリーは、ソーラーパネルで自家発電をしようと思い購入したものですが、色々あって実現できていないため未使用です。値段は約4000円でした。

なお、鉛バッテリーを持っていない場合は、リチウムイオンバッテリー内蔵タイプのスポット溶接機を買ったほうがトータルでは安くつく可能性があります。4000円台から売られていますから。

ただ、出所不明の中華リチウムイオンバッテリーの安全性には不安が残ります。燃えたら嫌なので個人的には使いたくない。

安全性を重視するなら、鉛バッテリー方式のほうがいいかもしれません。取り回しは良くないですし、総額が高くつく可能性はありますが……。

 

バッテリーにはターミナルが付いていないので、別途購入して取り付けます。適合するターミナルはバッテリーの種類によって変わるので、形式記号を見て合うものを選びましょう。

今回使用するバッテリーは、GS YUASAの「ECT-40B19L」。「40B19L」なので、Bタイプ端子用のターミナルを購入しました。

エーモンのB656という製品ですが、現在生産終了になっています。今買うならこっち(↓)


エーモン(amon) バッテリーターミナル B記号バッテリー用 錆び防止特殊メッキ仕上げ 8853

この溶接機の丸形端子は穴のサイズが小さいため、蝶ネジの部分に取り付けられないようです。仕方ないので固定用ネジの方に付けました。

作業時はバッテリーのショートに注意。金属製の工具などがプラスマイナスの電極に同時に触れると、発熱して火傷したりバッテリーが破損したりする危険があります。

コイン電池にタブを溶接

準備が完了したので実際に溶接してみます。

コイン電池CR1616にタブを溶接します。GBカセットの電池交換が目的です。

付属のニッケルストリップを強いハサミ(万能ばさみ)で切って、元のタブとサイズを合わせます。

後で気づいた反省点ですが、可能な限り元のタブに近い形に切っておいたほうが、はんだ付けがやりやすそう(↓)

溶接する前に、カセットを見てタブの位置を合わせました(↓)

この溶接機はバッテリーにつないだだけでは起動しません。「溶接できないぞ…?」と思って本体をよく見るとブザー横にスイッチがありました。

このスイッチを長押しすると起動し、緑色のランプが点灯します。

さらに長押しすることでパワーの調整ができるようですが、説明書がないので詳細は不明。長押しする度に「ピッ」という音が鳴る回数が増えるので、だんだんパワーが上がるということなのかな?

なお、何度か長押しを繰り返すと電源が切れます。

とりあえず最弱パワーで溶接してみました。それでも火花はかなり飛びます。

ちょっと怖いですね。ビビりながらやってます。

余談ですが、上の写真は動画から切り出したもの。最近のミラーレスカメラは4K動画対応のものが多く、写真に近い画質で動画が撮れるので、こういう一瞬を捉えたいときには助かります。

溶接の結果

くっついてはいますが、タブが溶け穴が開いています。最弱パワーでやったはずですが、予想以上に強力でした。

推奨より若干小さい容量の鉛バッテリーでしたが、パワー不足の心配はしなくてもよさそうです。

思うに、穴が開いてしまったのは、溶接棒の当て方がまずかったからかもしれません。

スポット溶接機は抵抗による発熱で溶接しています。溶接棒の接触する面積が小さくなるほど抵抗が大きくなり多くの熱が出るようです。

棒の鋭い角を当てたため熱くなりすぎたのかもしれません。棒の角をヤスリなどで少し丸めたほうがいいのかも。

また、押し付ける圧力の強弱によっても溶接の具合が変わるようです。もっと力を入れて押し付けたほうが良かったのかもしれません。

あと、コイン電池を固定してやるべきでした。無固定だと動いてやりづらい。万力のような器具を用意したほうがいいですね。

 

溶接の仕上がりはイマイチでしたが、GBカセットに取り付けたら問題なくセーブできるようになりました。

おわりに

綺麗に溶接ができた写真を載せられなかったのが心残りです。

まだ電池を交換していないカセットがいくつかあるので、秋になって外が涼しくなったら再チャレンジしたいと思います。まだまだ暑いので、エアコンのない倉庫でやるのは辛い。

気軽に屋内で使用できないのが鉛バッテリー式の弱点でもあります。重いので運び込むのが大変ですし、硫酸が入っていたり、水素ガスが出たりするので換気の悪い屋内では使いたくありません。

おことわり:今回紹介した溶接機は中華無名メーカーの商品なので安全性は保証されていません。また、筆者の組み立て方、使い方が正しいという保証もありません。使用される場合は自己責任でお願いします。


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