バイパス工事を行い40形直管蛍光灯をLEDランプに交換しました

DIY
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物置の天井の蛍光灯の調子が悪く、点灯にかなりの時間が掛かったり、チラついたりするようになりました。いい機会なのでバイパス工事を行い直管LEDランプと交換しました。

おことわり:

バイパス工事には電気工事士資格が必要です。無資格で行うのは違法ですし危険なので絶対やめましょう。

また、資格があっても、実務経験のない筆者のような人間が作業する場合、安全とは言い切れません。感電や火災のリスクを伴います。

この記事を見て作業される場合は自己責任でお願いします。いかなる損害が生じた場合でも筆者は責任を負いかねます。

不安がある場合はプロに頼みましょう。

中華製ランプを購入

直管LEDランプはアマゾンで購入した安物です。3000円くらい(2019年9月12日時点)。元々付いていた蛍光管は直管の40形なので同じサイズのものを注文しました。

これはちょっと明るめの製品で4200ルーメン。2000ルーメン台ならもっと安いのもあります。

おそらく中華製。少なくとも国産ではありません。この手の中華商品にはありがちですが、商品タイトルがめちゃくちゃ長かった。キーワード詰め込みまくり。怪しい!

できれば国内有名メーカーのものが良かったのですが、アマゾンで検索した限りでは40形直管LEDには国産が見当たりませんでした。

国内メーカーのスタンスとしては、中途半端に蛍光灯用の設備を使い回さず、丸ごとLED照明に取り替えてくださいってことなのかな?

追記:後で調べてみたら国内メーカーではアイリスオーヤマが売っているらしい。直販サイトから買えます。高くないしそっちにしておけばよかったです。

追記その2(2021年12月):直販サイトのラインナップから直管40形がなくなっていました。生産終了したのかな? 20形などはあります。

 

商品はプチプチでぐるぐる巻きにされた状態で届きました。

剥がすと中には厚紙でできた筒状のケースが。

格安中華商品でも流石にプチプチを巻いただけで送ったりはしないんですね。

開けてみました。安物だけど見た感じ大丈夫そう。

中華製品にはバリや傷だらけで見るからにヤバそうなのもありますが、これはまともっぽくてよかった。……あくまで外見上は、ですが。

一応レビューも悪くないです。でも中華製品はサクラがレビューを書いてたりするから油断はできない。

正直リスキーなので中華製品はおすすめできません。電気製品の場合、燃えたり爆発したりしないとは言い切れない。

ある程度覚悟の上で購入を検討すべきです。万一何かがあっても被害の少ないところで使うべし。

中華にもまともな製品はありますが、購入前に見分けるのは困難です。一部の有名メーカーの製品以外は買わないのが無難。

そのままでは使えない

直管LEDランプは形が蛍光管そっくりでも中身は全くの別物。光る原理も全然違います。蛍光管を外し、取り替えただけでは使えません。

ただしこの製品の場合、元の器具がグロースタータ形なら点灯管(グロー球)を外すだけで使えるらしい。

ですが、そのように使える場合でも、バイパス工事というのを行うのがベターのようです。この間、電気工事士資格を取得したので自分でやってみることにしました。

余談ですが、電気工事士資格の取得には意外とお金が掛かりました。

受験料、テキスト代だけならそこまででもないのですが、技能試験練習用のケーブル、器具と工具が結構高かったです。合計で5万以上掛かりました。

仕事で使うならまだしも、趣味で取るにはなかなかお高い資格です。

バイパス工事

バイパス工事というのは、蛍光灯安定器を撤去し、電源(交流100V)とLEDランプを直結させる工事です。

蛍光灯安定器を撤去するので若干省エネになりますし、老朽化による発火を防ぐこともできるようです。

蛍光灯(蛍光管)は電源と直接つながっているわけではなく、安定器というものを経由しています。これがないと蛍光灯は点灯しませんし、下手をすれば破裂したりする危険もあります。

(蛍光灯の点灯方式は複数ありますが、ここでは説明を省略。)

 

一方、LEDランプには安定機が不要。直接電源に繋げばOKです。

(LEDは直流電流でしか光らないので、ランプ内に交流を直流に変換する装置が入っています。ちなみに白熱電球は直流交流どっちでも光ります。)

今回のバイパス工事では、不要な安定器を外しLEDランプが直接電源と繋がるよう、蛍光灯用の器具を改造します。

ただ、この工事をやると、普通の蛍光管は使えなくなるので注意。LED専用になります。誤って蛍光管を取り付けると破裂するなどして非常に危険だそうです。

 

今回買った中華ランプにはバイパス工事用の配線図が付いていました。

点灯方式ごとの配線が書いてありますが、要は安定器をスルーして電源から直接ランプに繋がるように配線するということです。

(↑)グロータイプの図だけ、なぜか安定器つけっぱなしなのですよね。「点灯管(グロー球)を外すだけで使えるよ」と言いたいのかな?

※配線を間違うと危険なので要注意。資格を持っていない方や自信のない方は業者に頼んでください。

表示の謎

ところで左上のTenten点点っていうのはメーカー名なんでしょうかねえ? ブランド?

あと、右上にPSEマークがありますがほんとに届出してるのかな? 中華製品なので疑ってしまいます。

ランプのシールにもPSEの文字があるけど、事業者名が書かれていないし、ちょっと怪しい。特定電気用品以外の表記記号は(PS)E ですし。

仮に表示が本物だったとしても、安全性は保証されません。

◇(菱形)のPSE(特定電気用品)は検査機関で検査を受けていますが、○(丸)のPSE(特定電気用品以外)は自主検査だけ。

しかも調べてみると、直管形のLEDランプはPSEの対象外らしい。経済産業省のWEBページに書いてありました。

普通はPSEが付かない製品に付いているというのは謎ですね。やっぱり嘘表示か?

作業の記録

※あくまでも作業の記録です。正しい手順・方法で行っているという保証はできません。もしこの記事を見て作業をされる場合には自己責任でお願いします。

ブレーカーを落とす

バイパス工事を行う前に、まず工事を行う部屋のブレーカーを落とします。ランプと器具に電気が来ていない状態にします。

配線を切ったりするので電気が通ったままやると非常に危険です。照明のスイッチを切っておくだけでは不安が残るので大元から切りました。

蛍光管の撤去

準備ができたら古い蛍光管を撤去します。点灯管も外します。

その後、器具のフタを開けました。フタは爪みたいな感じで引っかかってるだけでした。

中には安定器が入っています。

安定器には配線図が書かれていました。説明書にあった昇圧型というやつみたい。

バイパス工事をすると下のようになります。

※今回のLEDランプは両側給電方式なので上のような配線になりますが、片側給電方式だと配線が変わります。要注意。

配線の切断

ここから配線の加工をやります。テスターを使って電気が来ていないことを再確認。

感電したくはないので念には念を入れます。接続部の配線がむき出しになってる部分や余っている接続用の穴に当ててみました。

電気が来ていないことを確認できたので、安定器に繋がっている配線を全部切ります。そして安定器を固定しているナットを外していきます。

なお、安定器は大きさの割にずっしりと重いです。落下させて怪我をしないよう気をつけました。

安定器の内部は何かで固められています。これが絶縁用の物質なのかな?

次に、点灯管(グロー球)に繋がっている白い線を切断。ここの配線はもう不要です(↓)

可能であれば根本からむしり取ったほうがいいのでしょうけど、大変そうなので、短く切って端を絶縁テープで覆っておきました。

配線の接続

次に、天井裏から来ている交流100Vの電源線(茶、白)と、器具側の線(青、赤)をそれぞれ接続します。

下の図は、茶ー青、白ー赤のパターン

交流電源なので茶ー赤、白ー青の接続でも問題ないはず(↓)

今回は念のため、電源とランプの間に1Aのガラス管ヒューズを入れることにしました。誤って蛍光管を挿入した際の被害を軽減できるかもしれません(↓)

ヒューズは中華LEDが壊れてショートした時の保険にもなりそう。

ただ、このLEDランプは消費電力が30Wと少ないので、0.5Aヒューズで十分だったかも。0.5Aのヒューズでも50Wまでは切れないので余裕がありますね。

配線の接続にはWAGOのWFR-2BPを使いました。


ワゴジャパン WFRシリーズ ワンタッチコネクター ブリスターパック 電線数2本 10個入 WFR-2BP オレンジ(Amazon)

これは、単線・より線の両方に対応した差込形コネクターです。一般的な差込形コネクターは単線のみの対応なので今回は使えません。

値段は若干高め。ホームセンターで10個入りが600~700円くらいで売られていました(2019年9月時点)。

脚立の上ではんだ付けや圧着をやるのは嫌だったので、多少高くても便利なこれを使いました。

絶縁被覆を剥いた配線を差し込んでパチっと挟めば接続完了です。

ちなみに、今回は使いませんでしたが、棒端子(棒状端子)というものがあります。

棒端子を「より線」に圧着すれば、単線のように使うことが可能に。つまり、安価な単線用の差込形コネクターが使えます。

 

WAGOのコネクターで接続する様子です(↓)

両面テープ式の配線止め金具を使い、線を整理しました(↓)

注意書きの貼り付け

バイパス工事済みだと分かるよう注意書きを作成。器具のカバーに両面テープで貼り付けます。こうしておけば蛍光管誤挿入のリスクを減らせると思います。

配線に誤りがないか確認後、器具にフタをして直管LEDランプを取り付けました。

今回買ったランプについて

このランプは、蛍光管と違い上半分が放熱板で覆われており、その部分は光を通しません。

取り付けると放熱板が真上にならず、ちょっと斜めになったのが残念です。実用上の問題はほぼ無いのですが少し気になりました。

ブレーカーを上げ、スイッチを入れて点灯するか確認してみます。

問題なく光りました。さすがLED、省電力なのに前より明るいです。

とはいえ、目がくらむほどの眩しさではないですね。もっと明るくしたければ照明を増設するか、大元の器具ごと交換するしかないかな?

あと、スイッチを入れたら即点灯というわけにはいかないようです。微妙にラグがあります。それでも前の蛍光灯よりは早いですが。

おわりに

得体の知れないLEDランプですが、ちゃんと光りますし今の所問題は出ていません。

ただ安全性を考えると、管だけではなく器具ごと、国内メーカーのLED照明に交換したほうがよかったのかもしれません。

やはり無名中華メーカーの製品は品質に不安があります。

あと、直管LEDランプは将来的に供給が続く保証もありません。LED電球に比べるとニッチな製品なのでいつまで生産が続くのやら。

蛍光灯自体が絶滅し、はじめからLED照明が付いている建物が増えると、わざわざ蛍光灯器具を改造して取り付けるこのような製品の需要はなくなります。

現に国内の大手メーカーは蛍光灯照明器具の生産を終了。LED照明器具に移行しています。(蛍光管の供給はまだ続けているらしい)

工事をして中華製品を使うくらいなら、まとめて最新の国産LED照明器具に取り替えたほうがマシだったかも。多少お金が掛かりますが安心は得られます。

ただまあ、器具と光源が一体化していて寿命が来たら丸ごと交換する必要のある照明を使うのには少々抵抗があります。

引掛シーリングを使う丸型の照明なら工事不要なので、気軽に交換できるのですが、ストレート型は電源直付けのため毎回工事が必要になります。

ランプ部分だけを取り替えられるLED照明もありますが、交換ユニットの互換性が低いなど弱点があるみたいです。

なお、安定器が劣化しておらず、ちらつきやノイズの発生がない場合は、あと数年蛍光灯を使い続けるのもありかもしれません。白熱電球と違い、蛍光灯のランニングコストはそこまで高くないです。

LED照明が広く普及すれば価格は下がるでしょうし、技術の進歩でより高性能・高機能になる可能性もあります。

現在使用中の蛍光灯器具がまだ問題なく使えるなら、数年様子を見てからLED化するという選択肢もあると思います。

注:記事を投稿した2019年9月時点での意見です)

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