ハードオフで中古のゲームボーイカセット(ポケモン赤、青)を購入しました。久しぶりにバグ技(裏技)で遊びたくなったからです。
ちなみにバグ技は3DSのバーチャルコンソール版でもそのまま実行可能らしいのですが、VC版は1000円以上しますし、そもそも3DSを持っていないので不可。
中古カセットは330円でした。GB本体は売らずに残しているのでお安く遊べます。
なお、同一店舗の同名ソフトでも価格に違いがあり、1000円近くするものもありました。何が違っているのか気になります。もしかすると高いほうは状態が良いのかもしれません。
メンテが必要
初代ポケモンは20年以上前に発売された古いソフト。カセットにはそれ相応の傷みが見られます。中古なので前の所有者だった子供が雑に扱っていた可能性もあります。
実際、状態は良くありませんでした。青版は電源を入れても画面が映らずまっしろしろ。GAME BOYの文字すら出ません(カセットを抜くと表示されるので本体は正常)。
赤版は画面が映りプレイできるものの、内蔵電池が切れていてセーブデータを残すことができません。レポートを書いても電源を切ると消えてしまいます。
そのままでは遊べない状態なので手入れをします。
分解
カセットを分解するため裏側のネジを緩めるのですが、使われているのは星型の特殊ネジ。
メーカーとしては簡単に開けてもらっては困るということなのでしょう。専用のドライバーが必要です。
DTC-20というやつです。以前スーファミカセットの電池交換用に買ったやつがあるのでそれを使います。国産のいいやつなので結構高かった記憶が。電子部品屋で2000円近くしたと思います。
輸入物の安いやつはアマゾン等で買えます(ただし精度は微妙かも)。
ネジ一本で留まっているだけなので工具さえあれば簡単に開けられます。ネジを抜いてスライドさせるだけ。
端子の清掃
↑の写真は青版の内部です。端子部分の金メッキが大分削れている感じ。接触不良が原因で画面が映らないのだと思います。
そこでエレクトロニッククリーナーを噴いて端子を洗浄。
さらにコンタクトスプレー(接点復活剤)を使います。
しかし画面は映らないまま…
ここまで剥がれていては駄目なのかと諦めそうになったのですが、ネット情報によれば端子の金メッキは下の金属を保護するためのものらしく、剥がれてしまっても下の層が生きていれば大丈夫なようです。
むしろ、抜き差しを繰り返すことで発生した金属粉が溜まったり、金メッキを失った下の金属が酸化したりすることによって接触不良になるらしい。
そこで、接点復活剤を噴いて綿棒でこすり、端子の汚れを落とすことにしました。
結構力を入れてゴシゴシと。これで駄目なら研磨剤で磨いてやろうと思っていたのですが、しっかり起動するようになりました。うれしい!
なお接点の清掃だけならカセットを分解しなくてもできます。
電池交換
次に内蔵のボタン電池を交換します。こいつが放電しきって駄目になるとセーブができません。青盤の方の電池はまだ生きているようでしたが、いつ駄目になってもおかしくないので交換することにします。
電池に書かれている97-05というのはおそらく製造年月、1997年5月ということだと思います。20年以上経過しているので要交換ですね。
使われているボタン電池(コイン電池)はCR1616という型で100円ショップでも買えます。
ただし、タブ付きではない普通のボタン電池を使う場合、交換は力技になります。
電池を外すためには、マイナスドライバーやペンチなどを使い、スポット溶接されている短冊状の金属(タブ)を剥がさなければなりません。
が、この部分は分離することが想定されていないのでガッチリくっついていて簡単には剥がせません。
↓電池は外せたけど力を入れすぎたせいで基板側のはんだ付けまで取れてしまいました。
はんだ付けの道具を持っていたので簡単に直せましたが、無い場合は厄介ですね。力加減に細心の注意を払わなければなりません。
この後、新しい電池を絶縁テープで固定します。両方のタブを包み込むような感じで巻きました。電池の表裏(プラス・マイナス)には注意。
以上はネット上でよく紹介されている方法ですが、ちょっと荒業感があります。電池を外すのが大変ですし、新しい電池をテープで固定するだけでは少し不安。
カセットに衝撃が加わった時に接触不良を起こしデータが飛ばないとは限りません。
(2022/5/25追記:実際にしばらく使っていたらデータが飛びました)
万全を期すならタブ付き電池を購入してはんだ付けするのが良いと思いますが、タブ付き電池は入手しづらいです。ネットで一部の業者が取り扱っているくらい。
Amazon: CR1616 タブ付き
YouTubeを見ると、中華製あるいは自作のミニスポット溶接機を使い、電池にタブ(ニッケルリボン)を溶接している方もいました。興味のある方は検索してみてください。
(2022/8/9追記:自分でスポット溶接をやってみました)
さらに別の方法として、基盤に電池ホルダーを取り付けるという改造を行っている方もいます。一度取り付けてしまえば電池交換が簡単になるので、長く遊びたい場合にはいいかも。
おわりに
完璧な修理ではないものの、起動してセーブができる状態にはなりました。
初代ポケモンは普通に遊んでも楽しいし、飽きたらバグ技で遊べる素晴らしいソフトだと思います。バグポケモンを作り出したり、壁抜けアイテムで普通は通れない所を通り抜けるのはなかなか面白いですね。